帳票の構成(オブジェクト)


「Wonderful Report 2005」は、あらかじめ定義しておいた各種オブジェクトと、データを動的に組み合わせることで帳票を出力(表示・印刷)するツールです。


オブジェクト
データ
変数
アイテム
目次
スクリプト



オブジェクト

次に示すオブジェクトを組み合わせて帳票の書式を定義します。


オブジェクト 説明
ブック ドキュメント全体を管理するオブジェクトです。
実行オプションや、セキュリティ、目次などなの設定を行うことができます。

「プロパティ」ウインドウの「ブック」タブ(「ブックのプロパティ」)で設定を行います。
レポート 1つの帳票を管理するオブジェクトです。
複数のフォームオブジェクトを作成することができます。
フォーム 用紙情報を管理するオブジェクトです。
複数のユニットオブジェクトやセクションオブジェクトを作成することができます。

データ値で変化しない文字や罫線などのアイテムはこのオブジェクトに作成します。

フォームには次の2つの種別があります。
種別 説明
マルチ 子オブジェクトを固定位置で配置します。
同一ページにセクションオブジェクトを複数配置することができます。
連結 子セクションオブジェクトを順序に従って並べて配置します。
ページ内に収まらなかったセクションオブジェクトは次のページに配置されます。

また、情報量に応じて用紙の長さを自動調整することも可能です。[1.1.16.2802以降]
クローン 「構成」ウインドウでクローン元のフォームオブジェクトを選択することで作成することができます。
請求書の原本と控えのように様式の一部(タイトル等)だけが異なる場合、この種別のフォームを使うと効率的です。

クローン元フォームの式アイテムやIsVisibleスクリプトでGetFormName( )を使うことで様式の一部を変更することができます。


クローン種別のフォームは編集が行えません。
クローン元のフォームでGetFormName( )関数等を使って切り分け処理を行う必要があります。
セクション データとリンクできるオブジェクトです。
データ値を帳票に出力する場合は、セクションオブジェクトまたは子ユニットオブジェクトを使います。

ユニットオブジェクトを使うことで、一覧表を作成することができます。
ユニット ユニットオブジェクトは表の一部を構成する部品です。
フォームオブジェクトやセクションオブジェクトの子オブジェクトとして使用します。

<フォームオブジェクトで使用可能な種別>
種別 説明
スタートページ フォームオブジェクトの最初に表示されるページです。
エンドページ フォームオブジェクトの最後に表示されるページです。
スタートヘッダー フォームオブジェクトの最初のページ(スタートページを除く)の最上部に表示されるオブジェクトです。
エンドフッター フォームオブジェクトの最後のページ(エンドページを除く)の最下部に表示されるオブジェクトです。
ページフッターとサイズが異なる場合は、エンドフッターだけのページが出力される可能性があります。
ページヘッダー フォームオブジェクトの全ページ(ページオブジェクトを除く)の最上部に表示されるオブジェクトです。スタートヘッダーが表示されるページには表示されません。
ページフッター フォームオブジェクトの全ページ(ページオブジェクトを除く)の最下部に表示されるオブジェクトです。エンドフッターが表示されるページには表示されません。
ゼロページ 子セクションオブジェクトが存在する場合、有効(表示される)なセクションオブジェクトが存在しない場合、フォームオブジェクトは表示されません。

このような状態のときに表示されるオブジェクトとなります。
下絵ページ 全てのオブジェクトの下位(最背面)に表示されるオブジェクトです。
スキャナー等で取り込んだ画像を使って帳票の編集作業を行うときなどに使用します。

このオブジェクトはユーザがプレービューのツールバー、または印刷ダイアログで表示・非表示を選択することができます。
通常はプレビューでは表示され、印刷は行われません。
上絵ページ 全てのオブジェクトの上位(最前面)に表示されるオブジェクトです。

このオブジェクトはユーザがプレービューのツールバー、または印刷ダイアログで表示・非表示を選択することができます。
通常はプレビューでは表示され、印刷は行われません。

<セクションオブジェクトで使用可能な種別>
種別 説明
スタートページ セクションオブジェクトの最初に表示されるページです。
グループ(レコードの範囲)毎に表示させることができます。
エンドページ セクションオブジェクトの最後に表示されるページです。
グループ(レコードの範囲)毎に表示させることができます。
スタートヘッダー セクションオブジェクトの最初のページ(スタートページを除く)の最上部に表示されるオブジェクトです。
グループ(レコードの範囲)毎に表示させることができます。

1ページに複数のスタートヘッダーを表示することはできません。
最初に有効になったスタートヘッダーが表示されます。(優先順位はリスト順です
エンドフッター セクションオブジェクトの最後のページ(エンドページを除く)の最下部に表示されるオブジェクトです。

配置する位置は、直前の「詳細」ユニットに続けて配置する(自動)と、常にセクション領域下部に配置する(固定)から選ぶことができます。

グループ(レコードの範囲)毎に表示させることができます。

1ページに複数のエンドフッターを表示することはできません。
最初に有効になったエンドフッターが表示されます。(優先順位はリスト最後尾からの順です
ページヘッダー フォームオブジェクトの全ページ(ページオブジェクトを除く)の最上部に表示されるオブジェクトです。スタートヘッダーが表示されるページには表示されません。
ページフッター フォームオブジェクトの全ページ(ページオブジェクトを除く)の最下部に表示されるオブジェクトです。

配置する位置は、直前の「詳細」ユニットに続けて配置する(自動)と、常にセクション領域下部に配置する(固定)から選ぶことができます。

エンドフッターが表示されるページには表示されません。
見出し 表の見出しとして各ページの先頭(ヘッダーを除く)に表示されるオブジェクトです。
詳細 表の行(詳細)を構成するオブジェクトです。
データレコードを順に繰り返して表示します。

複数作成可能です。
表示条件を指定することで、グループ(レコードの範囲)の前/後に小計を表示したり、書式を変えたりすることができます。
空行 表の空白部分を埋めるオブジェクトです。

「詳細」ユニットはデータレコード(行)が存在する場合しか出力することができません。このためレコード件数に関係なく、用紙一杯に罫線を引く場合などはセクションオブジェクトやフォームオブジェクトを使って固定的に罫線を出力する必要がありました。しかし、この方法では先頭ページと次のページで出力されるヘッダやフッターの内容が異なる場合IsVisibleスクリプトを駆使して出力内容を調整する必要があり編集・保守作業が難しいといったデメリットがあります。

このような場合、「空行」ユニットを使うことで簡単に空きスペースを埋めるアイテムを出力することができシンプルなオブジェクト構成にすることができます。
ゼロページ セクションオブジェクトにデータがリンクされている場合、有効なレコードが存在しない(0件)場合に表示されるオブジェクトです。




データ

帳票で使用するデータ(フィールド構成)やグループ(レコード範囲)、合計/累計の計算をデータオブジェクトを使って管理します。

<フィールド>
データ入力や、アイテムとの関連付けに使用するのがフィールドです。

<式フィールド>
各レコードの合計値や累計をデータ入力時に自動計算し保持するフィールドです。
グループ(レコード範囲)を指定することもできます。

各レコードでスクリプトを実行し、結果を加算して合計(あるいは累計)として保持します。

<グループ>
データのレコード範囲を指定する場合に作成します。
各レコードでスクリプトを実行し、結果が同じレコードが1つの範囲ということになります。

スクリプトは専用のダイアログで簡単に作成することができます。



変数

変数オブジェクトは、外部プログラムからデータ(表)ではなく、個々の値を設定・参照するために使用します。

外部プログラムから文字列や図形の外観を制御したり、入力コントロール(アイテム)を使った入出力アプリケーションで使用することもできます。




アイテム

帳票上に表示する文字列や罫線、図形などは全てアイテムオブジェクトを使って表示します。

次に示す種別のアイテムがあります。

種別 説明
文字 文字を表示するアイテムです。
線を表示するアイテムです。
図形 各種図形を表示するアイテムです。
スクリプトの結果を表示するアイテムです。
データ値や変数値の表示にも使用します。
式(画像) 画像のデータ値や変数値を表示するアイテムです。
バーコード バーコードを表示するアイテムです。
「式」アイテムと同じようにスクリプトの結果を表示します。

<使用できるバーコード>
JAN-標準
JAN-短縮
UPC-A
UPC-E
CODE-39
CODE-128/EAN-128
NW-7
ITF(任意桁)
ITF-拡張
ITF-標準
ITF-アドオン
カスタマー
QRコード
マイクロQRコード
グラフ グラフを表示するアイテムです。
「式」アイテムと同じようにスクリプトの結果を表示します。

<使用できるグラフ>
縦(棒/折線)
横(棒)
ドーナツ
レーダー
背景が赤色のバーコードについてはアップデート版で対応予定です。
テキストコントロール データ値や変数値を表示するアイテムです。
値を直接編集することができます。
リストコントロール データ値や変数値を表示するアイテムです。
値をリストから選択して変更することができます。
チェックボタンコントロール チェックボタンを表示するアイテムです。
ボタンをクリックすることでデータ値や変数値を変更することができます。
プッシュボタンコントロール プッシュボタンを表示するアイテムです。
ボタンをクリックすると Click スクリプトが実行されます。
画像コントロール データや変数の画像を表示するアイテムです。
クリックすることで画像を変更することができます。




目次

帳票定義とデータから目次情報を自動作成することができます。

目次機能を使用することで、データ量(レコード数)が多い帳票での目的のページへのアクセスを高速に行えるようになります。




スクリプト

単純な帳票であれば、スクリプトを意識することなく帳票の作成・編集を行うことができますが、スクリプトを使いこなすことで、データ値によって動的に変化する帳票や簡単な入出力アプリケーションの作成が行えるようになります。

スクリプト