印刷オプション


コマンド起動の /po オプションや、メソッドの SetPrintOption/SetPrintOptions、パラメータのPrintOption では次の値を設定・参照することができます。

/poコマンド や SetPrintOptions/PrintOutメソッドでは、一度に複数のオプションを指定することができます。

この場合の書式は次の通りです。

<書式>

<オプション名1>=<値>; <オプション名2>=<値>;...

オプション名と値を「=」(イコール)で接続し、「;」(セミコロン)で次の情報と接続します。
値に特殊文字が含まれる場合は「'」(シングルクォーテーション)で囲みます。

<ActiveX/OLEオートメーションからの設定例>

'印刷オプションを初期化
obj.SetPrintOption("Init", "all")
obj.PrintOut(0)

'用紙、ページ範囲、トレイを個別に設定
obj.SetPrintOption("Paper", "A4")
obj.SetPrintOption("Range", "3-5,7")
obj.SetPrintOption("Tray", "カセット1")
obj.PrintOut(0)

'用紙、トレイを一括設定
obj.SetPrintOptions("Paper=A4;Tray=カセット2")
obj.PrintOut(0)

'用紙、トレイを一括設定
obj.PrintOut(0, "Paper=A4;Tray='カセット2'")

'仕分リストファイルを設定
obj.PrintOut(50, "SortListFile='c:\...\list.txt'")

'FAXに送信
obj.SetPrintOption("FaxName","あいうえお株式会社")
obj.SetPrintOption("FaxAreaNumber","03")
obj.SetPrintOption("FaxNumber","1234-5678")
obj.PrintOut(30)


<コマンドラインからの設定例>

'印刷オプションを初期化
wfr2025v.exe c:\...\sample.wfr /p /po "Init=all"

'用紙、トレイを一括設定
wfr2025v.exe c:\...\sample.wfr /p /po "Paper=A4;Tray=カセット2"

'仕分リストファイルを設定
wfr2025v.exe c:\...\sample.wfr /p5 /po "SortListFile='c:\...\list.txt'"

'FAXに送信
wfr2025v.exe c:\...\sample.wfr /p3 /po "FaxName='あいうえお株式会社';FaxAreaNumber=03;FaxNumber=1234-5678"


<「URL Scheme」からの設定例>

Wfr.Client.4:sample.wfr /d Data1 0 sample.csv /po Range 1-3 /po Copies 3 /pd /cd http://wins2019



オプションの詳細


印刷オプション/共通オプション
PDF関連のオプション



<印刷オプション/共通オプション>

オプション 説明
Collate 部単位印刷の方法を指定します。

説明
on 部単位で印刷します。
off 部単位で印刷しません。
BarBlackDensity バーコード黒バーの濃度を指定します。

単位:%
値の範囲:50〜150
BarDrawMode バーコードの描画モードを指定します。

説明
normal 部単位で印刷します。
figure 図形として出力します。
image 画像として出力します。
Copies 印刷部数を指定します。
DlgLimits 印刷ダイアログでユーザ操作を制限(不活性化)する機能を指定します。(デフォルト値は 0x0000 です)
0x で始まる16進文字列で指定します。次の値を組み合わせた値を指定します。

説明
0x0001 出力先の変更を制限します。
0x0002 出力先に拡張印刷機能を表示しません。
【ファイル出力】【用紙別印刷】【仕分印刷】他の表示・選択を許可しません。
0x0004 「詳細」ボタンからのドライバープロパティの表示を制限します。
0x0008 「出力ファイル」の変更を制限します。
0x0010 「ページ範囲」の変更を制限します。
0x0020 「部数」の変更を制限します。
0x0040 「印刷用紙」の変更を制限します。
0x0080 「用紙方向」の変更を制限します。
0x0100 「用紙トレイ」の変更を制限します。
0x0200 「両面印刷」の変更を制限します。
0x0400 「拡大/縮小」の変更を制限します。
0x0800 「横オフセット」の変更を制限します。
0x1000 「縦オフセット」の変更を制限します。
0x2000 「スプール分割」の変更を制限します。
0x4000 「下絵」の変更を制限します。
0x8000 「文字出力」の変更を制限します。
0x10000 「EMF背景色」の変更を制限します。
0x20000 「FAX」関連の変更を制限します。
0x40000 「バーコード」関連の変更を制限します。
0x80000 「パレット補正」関連の変更を制限します。

<例>ページ範囲と部数の変更を制限する
obj.SetPrintOption "DlgLimits", "0x0030"
Duplex 両面印刷の設定をします。

説明
normal ドライバーの設定に従います。
simplex 両面印刷しない。
vertical 両面印刷する(長辺とじ)
horizontal 両面印刷する(短辺とじ)
EvenOffsetX 偶数ページの印刷時に横方向に追加で微調整する数値を指定します。(1/100mm単位)
偶数ページでは、横方向に OffsetX+EvenOffsetX 分微調整されます。
EvenOffsetY 偶数ページの印刷時に縦方向に追加で微調整する数値を指定します。(1/100mm単位)
偶数ページでは、縦方向に OffsetY+EvenOffsetY 分微調整されます。
Init 設定されている印刷オプションを初期化します。
WFR2005 では印刷オプションを帳票設計時、印刷ダイアログ、実行オプションから設定することができます。

また、印刷ダイアログからの印刷では設定内容を保存し、次回以降の印刷で再利用することも可能となっています。(「印刷」参照)
アプリケーションからの印刷実行で、これらの設定を使用したくない場合はInitオプションを使用します。

説明
all 全ての印刷オプションを初期化します。
OffsetX 印刷時に横方向に微調整する数値を指定します。(1/100mm単位)
OffsetY 印刷時に縦方向に微調整する数値を指定します。(1/100mm単位)
Orient 印刷する用紙の方向を指定します。

説明
normal 自動(帳票の設定に従います)
portrait
landscape
OptionID 印刷オプション情報を保存している識別文字列(印刷オプションファイル名)を指定します。

OptionIDを指定することで印刷ダイアログで設定した内容はシステムに保存され、次回以降同じOptionIDを指定することで印刷設定を流用することができます。
印刷オプションは、「マイドキュメント\MY WFR2025\PrintOptions」フォルダに格納されます。


印刷オプション情報が保存されるのは、印刷ダイアログから印刷を実行した場合だけです。
印刷範囲は保存されません。

<例-Clickスクリプト>
//ボタンクリックで印刷ダイアログを表示します。前回使用した設定で初期化します。

PrintOut(1, "OptionID=Abcdefg12345;Range=1-3");
return 0;

Paper 印刷する用紙名(または用紙コード)を設定します。
空の文字列を指定すると帳票の設定に従います。

用紙コードを指定する場合は、「#」(シャープ)の後にコード値を指定します。
(例: Paper=#9 )

印刷プリンターに指定用紙が存在しない場合は、A4用紙が選択されます。
PaletteRevise デバイスパレットによる色補正を設定します。
on にすると モノクロプリンター(ドライバーの設定)によってはカラー(中間色)が再現されない場合があります。

説明
normal 自動(帳票の設定に従います)
on 色補正を行います。
off 色補正を行いません。
Printer 印刷するプリンターを指定します。
ProgressDlg 印刷状況を表示するダイアログの表示・非表示を設定します。

説明
on 表示します。
off 表示しません。
Range 印刷範囲(ページ)を設定します。

説明
ALL 全ページを印刷範囲に指定します。
範囲指定文字列 印刷ページ(範囲)を指定します。

例:
1-3,5-7
1,3
Scale 帳票の拡大・縮小方法を設定します。

説明
none 拡大・縮小は行いません。
reduce 用紙に合わせて縮小します。
expand 用紙に合わせて拡大します。
adjust 用紙に合わせます。
Sketch 下絵と上絵の出力の有無を指定します。

説明
off 印刷しない
bottom 下絵を印刷する
top 上絵を印刷する
on 下絵/上絵を印刷する
SortListFile 仕分印刷を行うための「仕分リストファイル」を指定します。
SpoolCut2 スプールの分割方法を指定します。

説明
0 標準の設定です。
1 用紙方向の変更に伴うスプール分割を行いません。


プリンターによっては用紙方向が異なる帳票を同一スプールで出力するとプログラムが異常終了する場合があります。
Tray 用紙トレイ名(またはトレイコード)を設定します。
空の文字列を指定するとドライバーの設定に従います。

トレイコードを指定する場合は、「#」(シャープ)の後にコード値を指定します。
(例: Tray=#1)

プリンターに指定トレイが存在しない場合は、ドライバーの設定に従います。
Type
SpoolCut1

スプールを分割する方法を指定します。


この設定にかかわらず、出力用紙が変化した場合はスプールが分割されます。
これは、同一スプールで用紙情報が変わると動作不良をおこすプリンタ(ドライバ)が存在するためです。
用紙方向によるスプール分割を抑止するにはSpoolCut2オプションを使用します。

説明 詳細
0 標準 スプールは分割しません。
1 レポート毎に分割 レポートオブジェクト単位でスプールを分割します。
4 フォーム毎に分割 フォームオブジェクト単位でスプールを分割します。
2 改フォーム毎に分割1 改フォームグループ単位でスプールを分割します。
3 改フォーム毎に分割2 フォームオブジェクト単位、改フォームグループ単位でスプールを分割します。

同一フォームオブジェクトであっても、改フォームされた場合はスプールを分割します。



<PDF出力関連のオプション一覧>

オプション 説明
PdfVersion 作成するPDFのバージョンを指定します。
PDFのバージョンにより暗号化アルゴリズムが決定されます。

説明 暗号化アルゴリズム
4 バージョン 1.4のPDFを出力します。 Standard-40bit
5 バージョン 1.5のPDFを出力します。 Standard-128bit
6 バージョン 1.6のPDFを出力します。
(デフォルト値)
AES-128bit
7 バージョン 1.7のPDFを出力します。 AES-256bit
PDF/A-1b PDF/A-1bに準拠したPDFを出力します。
ベースバージョンは 1.4 となります。

<無効化されるオプション>
PdfUser
PdfOwner
PdfPermissions
PdfMetadata
PdfViewingDeadline
PdfViewingStart
PdfViewingDeadlineAlert
暗号化されません。 


PDFの暗号化はPdfUserまたはPdfOwnerを設定しないと有効になりません。
PdfVersion=6
PdfVersion=PDF/A-1b
PdfUser ユーザパスワードを指定します。
PDFを開くために必要なパスワードとなります。

<扱える文字>
PDFバージョンが1.4〜1.6 までは半角英数記号。
PDFバージョンが1.7ではUnicode文字(全角英数記号・半角カタカナ除く)

<パスワードの最大文字数>
PDFバージョン1.4〜1.6では32文字まで。
PDFバージョン1.7では127文字まで。(UTF-8換算)
PdfUser=test_user
PdfOwner オーナー(権限)パスワードを指定します。
オーナーパスワードを指定すると
PdfPermissionsで許可する権限を指定することができます。

<扱える文字>
PDFバージョンが1.4〜1.6 までは半角英数記号。
PDFバージョンが1.7ではUnicode文字(全角英数記号・半角カタカナ除く)

<パスワードの最大文字数>
PDFバージョン1.4〜1.6では32文字まで。
PDFバージョン1.7では127文字まで。(UTF-8換算)
PdfOwner=test_owner
PdfPermissions
PdfPM
PdfOwnerでオーナー(権限)パスワードを指定した場合、
許可する権限を指定することができます。(デフォルト値:Accessibility)

複数の値を組み合わせて指定することができます。
EditLevel1〜4は最後に指定された値が有効となります。

説明
Copy
CP
内容のコピーを許可します。
アクセシビリティのための内容の抽出も許可されます。
Accessibility
AC
アクセシビリティのための内容の抽出を許可します。
Print
PR
低解像度で印刷を許可します。
PDFバージョン1.4では高解像度で印刷を許可します。
PrintHigh
PRH
高解像度で印刷を許可します。
EditLevel1
EL1
ページの挿入、削除、回転を許可します。
PDFバージョン1.4ではサポートされていません。
EditLevel2
EL2
フォームフィールドの入力と既存の署名フィールドに署名を許可します。
PDFバージョン1.4ではサポートされていません。
EditLevel3
EL3
注釈の作成、フォームフィールドの入力と既存の署名フィールドに署名を許可します。
EditLevel4
EL4
ページの抽出を除く全ての操作を許可します。

PdfPermissions=Copy,Print
PdfPM=CP,PRH,EL2
PdfMetadata PDFを暗号化する場合、メタ情報の暗号化の有無を指定します。
PDFバージョン1.4ではこの設定は無視され常に暗号化されます。

説明
Encrypt 暗号化します。(デフォルト値)
UnEncrypt 暗号化しません。。

PdfMetadata=UnEncrypt
PdfMeta メタ情報を設定します。
このオプションではオプション名に続き
エントリ名をかぎ括弧([ ])で囲んで指定します。

PdfMeta[<エントリ名>]=値

設定できるメタ情報のエントリは次の通りです。

エントリ名
Title タイトル
Subject 主題、サブタイトル
Author 作成者
Keywords PDFに関するキーワード
このエントリは値を複数指定することができます。

帳票定義ファイル(*.wfr)を使っている場合は、
マクロを使いデータ値を埋め込むことができます。
(基準セクションのデータ値が対象となります)

例)
PdfMeta[Subject]='%Field=企業名%'
PdfMeta[Keywords]='%Field=企業名%','%Field=部署名%'
PdfMeta[Title]='Sample';
PdfMeta[Keywords]='明日','天気','晴れ'
PdfImageQuality
PdfIQ
画像の品質を指定します。(デフォルト値:80)
指定可能な範囲は 10〜100 です。
PdfImageQuality=80
PdfImageDpi
PdfID
画像の解像度(DPI)を指定します。(デフォルト値:300)
指定可能な範囲は 72〜2400 です。
PdfImageDpi=300
PdfBarcodeDpi
PdfBD
バーコードの解像度(DPI)を指定します。(デフォルト値:600dpi)
指定可能な範囲は 72〜2400 です。

PDFを介してのバーコードの印字は読み取り精度が低下する傾向にあります。
これはPDFの内部解像度と実際に出力するプリンタの解像度の相違からスケーリング処理でバーの均一性が保たれないためです。
「PDF Server」「PDF Client」では最終ターゲット(プリンタ)の解像度に合わせてバーコードを最適化して出力することで品質の低下を抑えることができます。


最適化を有効に活用するにはPDFの印刷時に出力倍率を100%にする必要があります。
プリンタ(ドライバ)やPDF出力ソフトの設定で出力倍率が調整されるとバーコードの品質は必ず低下します。
PdfBarcodeDpi=1200
Range PDFに出力するページ範囲を指定します。(1〜)
指定しない場合は全ページをPDFに出力します。

特定のページを指定:Range=3
範囲を指定:Range=1-3
複数のページを指定:Range=1,3,7-8
Range=1-3
PdfPaper 出力するPDFの用紙サイズを指定します。
指定しない場合は帳票の用紙(サイズ)に従います。
指定可能な用紙名は A1〜A6,B1〜B6 です。

任意の用紙サイズを1/100mm単位で直接指定することもできます。
この場合は 幅x長さ で指定します。

第二引数で用紙方向を指定することができます。
指定しない場合は帳票の用紙方向に従います。
説明
Landscape 横(用紙の幅と長さを入れ替えます)
Portrait
PdfPaper=A3
PdfPaper=21000x29700,Landscape
PdfOffset PDFの出力位置を調整することができます。(デフォルト値は Left,Top です)
PdfPaperやPdfZoomを設定し出力用紙と帳票の用紙サイズが異なる場合に、配置位置を調整することができます。

第一引数には横方向のオフセットを1/100mm単位で指定します。
次の値を指定することもできます。
説明
Left 左に寄せます。
Center 中央に配置します。
Right 右に寄せます。


第二引数には縦方向のオフセットを1/100mm単位で指定します。
次の値を指定することもできます。
説明
Top 上に寄せます。
Center 中央に配置します。
Bottom 下に寄せます。
PdfOffset=Center,Top
PdfOffset=1000,0
PdfViewingDeadline
PdfVD
※この機能はPDFビューワーのフォームやJavascriptのサポート状況にに大きく依存します。厳密な管理を行う方法としては不適当です。

出力するPDFに閲覧期限となる日時を指定します。(書式はyyyy/MM/dd hh:mm:ss)
閲覧期限を超えると全てのページが白紙となります。
時刻を省略すると 00:00:00 が適用されます。

2022年6月末日までを閲覧期限とする場合は 2022/07/01 と指定します。


PdfOwnerを使って制限を与えた場合でも、このオプションの指定によりフォームの編集・操作の許可が追加で与えられます。これは、閲覧可能な場合、ページ出力時に内部処理でフォームの編集操作が発生するためです。これにより、PDFビューアによってはPDFを閉じるタイミングで保存を確認する問い合わせが発生します。
PdfVD=2023/01/01
PdfViewingDeadlineAlert
PdfVDA
※この機能はPDFビューワーのフォームやJavascriptのサポート状況にに大きく依存します。厳密な管理を行う方法としては不適当です。

指定できる文字は半角英数字と一部の記号です。(ASCII文字)

閲覧期限を超えたことを伝えるメッセージを指定します。閲覧期限を超えている場合、このメッセージがアラート(ダイアログ)に表示されます。アラート(ダイアログ)は1ページ目に移動したタイミングで表示されます。
PdfVDA='The viewing deadline.'
PdfZoom PDFへの出力倍率を指定します。(デフォルト値はAutoです)
PdfPaperオプションで指定した用紙サイズに合わせて自動調整(拡大・縮小)することができます。

次のように設定することで用紙マージンが狭い帳票のマージンを広げて出力することができます。
(例 PdfZoom=95%;PdfOffset=Center,Center)
PdfZoom=90%
PdfZoom=Auto